蔦重とタッグを組んだ2人の武士・朋誠堂喜三二と恋川春町の「興隆と挫折」
文才、画才ある武士が盛り上げた出版文化『明月余情』は、吉原の祭りである「俄(にわか)」の模様を伝える本だった。8月を彩る一大イベントで、幇間(ほうかん/酒宴を盛り上げる太鼓持ち)や芸者衆をはじめとした遊廓住人が、メインストリートの仲の町を舞台に「ニワカ芝居」を演じ、その出来を番付にしていた。今でいうグラフ誌のようなもので、喜三二が洒落(しゃれ)た語り口で「この盛大な行事が吉原の繁栄につながる」と序...

文才、画才ある武士が盛り上げた出版文化『明月余情』は、吉原の祭りである「俄(にわか)」の模様を伝える本だった。8月を彩る一大イベントで、幇間(ほうかん/酒宴を盛り上げる太鼓持ち)や芸者衆をはじめとした遊廓住人が、メインストリートの仲の町を舞台に「ニワカ芝居」を演じ、その出来を番付にしていた。今でいうグラフ誌のようなもので、喜三二が洒落(しゃれ)た語り口で「この盛大な行事が吉原の繁栄につながる」と序...
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